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空き家のアレコレ

空き家に関する情報や、私たちが最近行った作業の様子をお伝えします。

ものを大事に使う。

何十年と人が住んだ家から出てくる物の量は想像をはるかに超える多さです。家の大きさ、家族の人数にもよりますが、廃棄物だけで2トントラック5台分以上になることも珍しくありません。

私たちは、遺品整理前に古物の買取りを行い、対象品を精査し運び出します。また、扱わないものに関しては各種専門業者に入ってもらいなるべく買い取ってもらいます。さらに、空き家のフリーマーケットとして格安で家財を譲るというように廃棄物を減らすための工夫を徹底しています。その結果、古本、家電、大型家具、生活雑貨、台所用品、着物、反物…多くのモノたちが新たな役割を得て空き家から去っていくわけです。

驚かれるかもしれませんが、そのうえでの数字が「2トントラック5台以上」なんです。

私たちは「基本的に」できるだけ多くのものを活用できるカタチがないかと日々考えています。廃棄物の増加は環境負荷に直結するし、社会は物が飽和する一方で必要なものが得られない貧困層の人々が増え続ける歪な状態です。

だけど、この「基本的に」が難しいんです…。

例えば、家電。古い家電は新しいものに比べて消費電力が大きいのですが、この10年以内で、冷蔵庫であれば5割弱、テレビでは約3割、照明に至っては8割以上も消費電力が抑えられるようになりました。電力消費は化石燃料の消費を伴うので、消費電力が大きいということは環境負荷が高いということになります。

環境負荷だけではありません。例えば、先進国で大量に発生する古着の問題も矛盾を含んでいます。低所得国に寄付として送られる古着がその国の人々や産業を逆に圧迫することがあるのです。具体的には、地元の繊維産業の衰退につながったり、現地のニーズに合わない大量の衣類の処理問題などが挙げられます。

ものを必要な人に届けるという行為は、善意に基づいていても社会の背景や仕組みを知らなければ誰かを苦しめることにもなり得ます。

社会通念上、多くの人が疑問を持たない「ものを大事に使う」という姿勢。

私たちは岩手県の三陸地域を拠点にしていますが、多くのものを災害で失くしたこの地域だからこそ、その根本を見つめ直したいと試行錯誤の日々です。

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